物理の勉強法・参考書と問題集

霊夢
物理はあんたのエース科目じゃないの

ぴよ太郎
そ、そうなんだけど問題もあるんだ

魔理沙
おぬしの失敗はやり過ぎたことだな

私が英語が苦手で、文系科目がさほどでもないにも関わらず大学に受かっていたのは、薄々感づいていたかたもおられると思いますが、理系科目が得意だからです。

個人的な話は後にするとして、物理にはちょっとしたコツのようなものがあります。参考書・問題集とともにそれを紹介しようと思います。

物理のちょっとしたコツ

物理ができるようになるにはちょっとしたコツがあります。それは公式の覚え方です。

物理が得意な人は、公式を作る過程を再現できます。逆に、そこを飛ばして公式を丸暗記する人は、まず物理が苦手になります。

公式を作る過程というのが物理の本質を表しているのです。参考書類を選ぶ時、その過程が書いてあるかどうかをチェックするといいでしょう。

特に、私は波動分野のドップラー効果の辺りを見て、その参考書の良し悪しを判断しています。

あと、参考書は適度に分厚い方がいいです。あまり分厚いとやる気がなくなりますが、薄いのはダメです。

参考書・問題集

まず前提として、私は「教科書」と教科書傍用問題集「セミナー物理」は全部やりました。今考えると当時の「セミナー物理」が良かったという感覚は全くありませんが、教科書傍用なので取り敢えずやったと。

物理の問題というのは、難しい、簡単というのはあまりありません。理解していれば解けるし、そうでなければ解けないだけです。

よって、問題集をやる前に本質を理解するための参考書が必要です。3冊紹介しますが気に入ったのがあれば1冊選んでください(すべて前・後編に分かれています)。

初めの参考書

今、これを見てくれているあなたはどの段階から物理を始めますか? 教科書は読みましたか? もし初学者ならこの『宇宙一わかりやすい高校物理』で決まりです。

教科書は分厚さに制限があります。本当はもっと書きたいのでしょうが、予算など諸事情で省略してあります。それを市販の参考書で思う存分書きあげたふうなのがこの本です。

とても丁寧で、例えば波動分野で「ホイヘンスの原理」というものがあります。これは大切な概念なのですが、実は問題を解くのには全く役に立ちません。

ですので教科書には載っていても、市販の参考書にはまず載っていません。ところが、この『宇宙一』は4ページも使って「ホイヘンスの原理」を解説してくれています。

つまりこの本は受験参考書というより、むしろ教科書と言っていいくらいのものです。本来の教科書はこれくらいのボリュームがあると分かりやすい、というのを認識させてくれる書籍です。


完全な初学者でないなら、こちらもお勧めです。カラーページでイメージ図を多用して具体的な解説がされています。

『宇宙一』は少し冗長な感じがするので、こちらの方が分かりやすいかたもいると思います。


上記2冊より、数学的な説明がしてあります。数学的な理解が得意な人はこの本がいいと思います。

私はこの本の解説が一番分かりやすいです。

初めの問題集

初版が1966年という驚きの古典です。著者はすでに亡くなっておられるようです。私の受験の頃は「新体系物理」という名前でしたが、いつの間にか「新」が取れていました。

この問題集が生き残っている理由はオンリーワンな書籍だからです。入試問題を扱うのではなく、この本が焦点を当てているのは『公式の導き方』です。そこを問題形式にして学習できるようにしてあるのです。

私の頃も評判が良く、大阪大に行った友人が「新体系物理、凄く良かったわー」と言っていたのを今でも覚えています。私は全部やったんだったかな…持ってはいたと思います。

私は元々公式の出し方を知っていたので、当たり前のことが書いてある問題集だなと思ったように記憶しています。しかし、そこが物理ができるかどうかの分かれ目なのです。

続いての問題集

次に入試問題に取り組みましょう。ここからは色々流派が分かれると思います。私のやり方はちょっとおかしいので最後に紹介します。

まず言っておきたいことは、いたずらに難しい問題集をやる必要はないということです。医学部受験の場合、大学によっては基本的な問題しかでないところもあります。

とはいえ基本トレーニングはやらなければなりませんので、次の三冊を紹介します。


基礎」と書いてありますが、標準的な入試問題を扱っています。105題と量も適当だと思います。一方、「標準問題精講」のほうは難しい問題を扱っています。

一般に、「標準問題精講」シリーズは難しいです。「基礎」が標準レベルです。

我らが河合塾標準問題集です。毎年出るような問題が揃えてあります。そういう本が良いと思います。

物理はもうずいぶん前から出る問題が決まっています。生物と違って新問がないのです。ですので、問題が古くなるということがあまりありません。それが先の「体系物理」が今でも通用する理由でもあります。

ところで、私は河合塾物理科には何の恩もありません。後で書く。


物理標準問題精講の著者が作った、本当の標準問題集です(笑)

何より見た目がいい!やる気が起きます。そういうのって意外に重要。

志望校の過去問

ここまでで既にずいぶん力が付いていると思います。志望校の過去問をやってみましょう。特に医学部は、大学によって標準的な問題しか出ないところがたくさんあります。

ほとんどの人は、もう十分なのではないでしょうか。入試科目は他にもありますし、物理ばかりやっていても仕方がないと思います。

しかし、志望校の問題がもっと難しい、物理を得点源にしたいというかたはもう少しやりますか。

応用問題集

そうそう、物理に関して駿台シリーズは微積を多用します。逆に河合塾は微積を使いません。

高校教科書の範囲では微積は使わないでやることになっています。一方、物理と微積は切り離せないことも事実です。ただ、駿台のは過剰だと私は感じています。

ちなみに昔の駿台全国模試の物理の平均点ってどのくらいだったと思います? 駿台は60点満点で、11~13点でした。つまり2割。いや、そんな難しい入試問題出す大学ないから(笑)


問題数は90題で手ごろな感じ。

東大、京大の問題が多く標準的とは言えませんが、90題ですから物理好きには丁度いいくらいでしょう。私ならこれをやるかな。


我らが河合塾の難しめの問題集。

問題は入試問題を組み合わせたものや、オリジナルの短いものです。河合塾は微積を全く使わないので人によっては分かりにくいかも。私は力学だけやった気がする。


高校の指定で買いました。が、全部はやっていないように思います…やったかもしれん。しかし、あまり記憶にない。字が小さくて、答えが簡素。そういう意味では難しい。

これ誰が作ってるんでしょうね。他書と掛け持ちの社内出版部の人が、毎年てきとーに問題を入れ替えているだけのイメージがあります(偏見)。だから網羅性が低いと言われる。

だいたい、物理のような新問が出ない分野で毎年改訂する必要があるとは思えません。ただのアピールですよ。厳選していない証拠。

全くお勧めしている気がしませんが、きっと気のせいでしょう

Column:ところで、Amazonのレビューにこういうこと書いている人がいました。

ただ1つ知らなければならないのは、これ(注:重要問題集のこと)を手にとるまでに相当の努力を必要とする。なのでオススメルートを紹介します。

漆原晃の物理が面白くなる本→物理のエッセンス→基礎問題精講→良問の風→名問の森→重要問題集

ほら相当の努力を必要とするでしょ。逆に考えればここまでやれば合格点+αです。

そうとう努力家なのでしょうが、やり過ぎです。お勧めというか自分がやったこと書いてあるだけですね。こんなこと書いたら他の受験生がビビります。

「漆原」と「エッセンス」は両方はいらんでしょ。そして今は「宇宙一」の方がいい。

「基礎問題精講」と「良問の風」は両方やるのもありなのかな。私はどちらかを繰り返したほうがいいようにも思いますが、そこは分からん。

「名問の森」と「重要問題集」は、「名問の森」の方が難しいです(笑)ほんとにやったか~?

ぴよ太郎氏の話

医学部受験

入塾の前に、わざわざ校舎まで行って聞いたのです。「物理・生物選択なのですが、両方授業は受けられますか?」と。

入ってみたら、物理と生物が同じ時間に開かれ受けられないじゃありませんか!

生物はそれまで独学で、まだ一年も勉強していませんでしたので生物を取るしかありません。先生も美人だし(オイ

他の科目も忙しかったので、結局一年間、物理NO勉強になりました。これが私が河合塾に怒っていることの一つです。

解くのは模試の時だけ。よって、一年で30問くらいしか解いていないです。ちなみに、やった参考書は、入塾前のセンター試験前に取りあえず思い出そうと、

橋元の物理をはじめからていねいに【改訂版】力学編 (東進ブックス 大学受験 名人の授業シリーズ)これの前の版のものを読みました。しかし、この本はお勧めしません。当時はまだ他にいいものがなかったのです。同じ橋元先生の書籍でも、上で紹介した「イメージでわかる」の方がいいです。

偏差値71より下はなかったですが、かつての得意科目が足を引っ張る側に。

ただし、本番ではほぼ満点でした。医学部の物理は簡単なところはホント簡単です。「偏差値が高い」=「難しい問題集が必要」、ではないことは肝に銘じておいてください。

ほぼ満点とは?…実は答えの数式に、具体的な数値を入れて計算する問題をやりませんでした。配点の割に時間がかかるし、数値計算は間違えると部分点がありません。ハイリスクローリターン。そもそも数値計算など計算機でやればいいと思いませんか?

昔のぴよ太郎氏

いきなりやったのがこれです(重要問題集もやったかもしれません)

難問題の系統とその解き方』…緑と黄色のフォルムが危険な香りをかもしだしています。毒を持った蛙のようです。

最高難度の問題集ですが、一般性や網羅性もあって、いたずらに難しいだけの本ではありません。微積的な手法も用いながらも、それ一辺倒ではありません。

ただですね、これ一題20~30分クラスの問題が、例題120、演習180と300問もあるのです。問題集なのに530ページもあります。これを全問自力で解いて3周しました。

するとどうなるか分かりますね。そうです、英語の勉強をする時間がなくなるのです。

どっちが重要か考えなさい!アホなの?バカなの?しぬの?」と当時の私を小一時間問い詰めたい。理科の一科目に一日5時間とか、マジで頭おかしいです。しかし、全く苦ではありませんでした。ただひたすらに面白かった。

成績は上がりましたけどね。最高は駿台の全国模試で59点/60、偏差値96で1位でした。80をきることはなかったと思います。

しかしです、物理の偏差値を70から80オーバーに上げる労力より、英語を40から65に上げる労力の方が少なくて済みますし、合計点は遙かに高くなったはずです。

魔理沙
物理の計算はできるけど、総得点の計算はできなかったと
ぴよ太郎
ま、まあね。英語は先が見えていなかったんだ
霊夢
今考えると、難しいことではなかったのにね

まとめ

物理の一番難しいところは、どこまでやるかの加減です(当社比)。

『難問題の系統とその解き方』は難易度だけでなく、内容も高校物理の最高峰です。その感想は今でも変わりません(断言)。しかし、現在はほとんどの大学入試問題はそこまで難しくありません。ちなみに、近所の中規模書店にもうこの本はありませんでした。

今、私が現実的なプランを考えますと、「初めの参考書をどれか1冊」→(「体系物理」は私の場合は飛ばす)→「続いての問題集をどれか1冊(を3回繰り返す)」→「過去問」で終えると思います。あとは志望校の難易度に応じて「標準問題精講」あたりを加えるかもしれません。

物理が苦手な人は「体系物理」をやった方がいいです。あなたのできていない部分がそこにあります。

最後に、重要なことなので繰り返します。「偏差値が高い」=「難しい問題集が必要」、ではないということです。特に医学部受験者は気を付けて下さい。

健闘を祈る。